今、家庭菜園が人気な3つの理由
<目次>
1.日本でも海外でも家庭菜園が人気な理由
2.自然とのふれあいのストレス緩和以上の効果
1.日本でも海外でも家庭菜園が人気な理由
「私の年齢では、これから農家になるのは無理なので野菜宅配をお願いします。」
と、ご注文がありました。
今年の7月から来てもらっているスタッフさんでも「自分で野菜を作ってみたい。プロの野菜作りを勉強したくて」という動機の方がいます。
そう言えば、今年は野菜の苗が品薄で、欲しかったトマト苗が買えませんでした。欲しかった=食べたかったのは自家消費用の中玉トマトの苗。そのため、この夏はトマトソースが思う存分食べられなかったんです涙。「色々な種類の野菜をたくさん作っている農家なのに、自分の食べたい野菜がないなんてっ!」私は野菜が食べたくて農家になったふしもあるので、この無念たるや。来年のリベンジに燃えていますよ。
気になって調べてみると、やはり家庭菜園に取り組む人が増えて、ホームセンターや直売所では野菜苗が売れ行き好調。市民農園・貸農園の人気も高まっていて、家庭菜園関連書籍の売れています。
日本だけでなく、アメリカのサンフランシスコでも「家庭菜園」がブームに。そこでは収穫したものを食べるだけでなく、子供がいる家庭にとっては、タネや苗から食物を育てる<栽培プロセス>が絶好の教育ツールとして機能しています。
教育ツールと言えば、ウチの農園長も4月に「ステイホームで子供達ヒマしてるでしょ」と野菜宅配お客のお子さん向けに「サラダようミニやさいのたね」をプレゼントしてました。農園長は優しいハートの持ち主です。
特に成田市在住のK君には楽しんでもらえたようで。お母さまがFacebookを使って生育の様子や質問をお知らせしてくださいました。
K君は苦手な野菜が多く、お母さまから「うちの子、どうやったら野菜食べますかね?」と質問をいただくこともありますが、食べるだけでなく<植物の成長>として興味を持っていれば全然OK!っと思ってます。こんな野菜があるんだなって知っていれば、自分で食べ物を選ぶ時に選択肢に入りますから。K君の自分の興味に素直で積極的に行動する所は、本当に見習いたいです!
ここから見てとれる、今家庭菜園が人気な理由は大きく
1.実用的な意味で自分で食べ物を作り出す「食糧確保」
2.手間をかけ直接的な体験から興味や関心を育てる「学び」
なのかなと思います。
そして、1つ目の実用的な理由「食糧確保」で家庭菜園を始めた方からよく聞くのが
ズバリ
野菜は買った方が安い
野菜作り自体は誰にでも出来ますが、期待通りの味や量の野菜を収穫までこぎつけるのは、想像以上に大変で費用がかかるというのが実際。スーパーで売っている野菜と家庭菜園の野菜を価格で比較するのは、あまりに生産規模的が違いすぎますし、それが案外知られていない、自分でやってみて体験しないどれくらいのコスパが違うのか見当もつかないんだなとも思いました。
2つ目の教育的な理由になると、学校や団体主導で学びの「ねらい」や「手法」「得られる効果」で語られる事が多いです。
これら2つの理由にくわえて、今家庭菜園が注目を集める理由で
3.心身ともに無意識にリラックスする「癒しの効果」
があると思います。
2.自然とのふれあいのストレス緩和以上の効果
現代の都市型生活スタイル、急激な情報技術の進展によるストレス状態を改善する方法として「自然とのふれあい」は広く認知されていますが、2020年に世界を圧巻した新型コロナウイルスでの制限された生活の中で、より身近で手軽におこなえる家庭菜園が注目を集めていることは、ごく自然な流れだと思われます。
自然とのふれあいがストレス緩和になるのは、人類が99.99パーセント以上を自然環境下で過ごしてきた歴史があり、まだ数百年という現代社会での体験に遺伝子の変化が脳も心臓も含めて適応出来ていないからではないか、という研究がされています。
今、私たちが感じているストレスは進化の課程で必要なものなのかもしれません。そう考えると、自然とのふれあいは昔は良かったなという懐古主義でも年配者の暇つぶしでもなく、きたるべき環境の変化に適応していくための準備として最適な方法なのかもしれません。
ごく身近な自然とのふれあいは家庭菜園、市民農園・貸農園をはじめ色々な方法があり、これからますますニーズが高まってくるように思います。
余談ですが、あるまま農園の畑でも自然とふれあうイベントをごくたまに開催していました。今は手が回らなくなっていて開催していませんが、ホスト側もすごく楽しませてもらえるので、時期をみて再開したいと思ってます。ぜひ皆さんにも畑で過ごす心地よさを体験していただければ嬉しいです。