田舎と都会のデュアルライフ

元都会OLの都会と田舎で暮らす農活

私のお父さんはなんで病気なんだろう


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私のお父さんはなんで病気なんだろう。


これは父が私にくれた一生のテーマです。

父は私が10歳の時に倒れて危篤になりました。
治療では治らない腎臓の病気でした。それから37年間、週3回の人工透析をしながら生きて去年亡くなりました。たくさんの深刻な症状を抱えながらも、死因が腎臓ではなく老衰だったことはとても幸せなことでした。


病気でしんどそうに生きる父を見るのは悲しかったです。
父は自衛官で幹部候補生でしたが、おそらく病気があって思うように働くことができてませんでした。そんな状況でも防衛庁に転勤、単身赴任で仕事に打ち込んでいた私が高校一年生の時、再び倒れて危篤になりました。勝手な想像ですが、昭和17年生まれで仕事一筋だった父は健康上の事情で能力と努力に応じた出世ができなかったことで悔しい思いをしたのでは..と思います。


私も大人になり社会経験をつむと、健康は身体だけでなく精神的・社会的な要素も含まれると知りました。生活習慣、働き方、毎日をどこで何を誰とどんな状態で過ごすか環境設定が重要だと。


1948年4月7日にすべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的で設立された世界保健機関World Health Organization:WHO)の憲章では、健康を以下のように定義されています。

健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。

 

 
個人的に健康でいることは、能力を試したり生かしたり伸ばしたり、持って生まれたものを使って経験をつんで自分の幸せを知る土台になると思います。世界中の誰でも自分のために、家族のために、健康に元気でいて欲しいと自然に考えるようになりました。
 
 


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腎臓が悪い父は毎日の食事にかなり制限がありました。
透析患者の食事療法の基本は3つ
 
食卓にお味噌汁はなく、お茶も湯呑みに半分以下、減塩醤油を使いカリウムの多い果物はあまり食べませんでした。
 
 
子供の頃は気がついていませんでしたが、中学生にもなると自分の家の食事が他の家庭と違うこと、その理由が父の病気であることにどんより薄暗い重苦しい感情を覚えるようになっていました。
 
 
私のお父さんはなんで病気なんだろう。
なんで家のご飯は他所のうちと違うんだろう。
 
 
思春期に暗い影を落としたその感情は、二十代後半になって一人暮らしとハードワークで体調を崩しがちになった頃、食と健康への関心に変わっていきました。体調不良の原因は明らかに働きすぎと睡眠不足・運動不足など基本的生活の乱れ。それでも早く一人前になりたい、世の中に認められたいと思い健康そっちのけで仕事にのめり込む自分に父の姿を重ねていくようになりました。

 
このままだと私も父のように病気になっちゃうのかな。
 
 
2000年の1月1日から心機一転、健康的な生活にシフトチェンジ。その10年後には新規就農をしていた今の旦那さんと結婚し、野菜の生産者になっていました。父からもらったテーマに取り組むに良い環境設定を整えられました。


人生100年時代と言われているが、
実際には何%の人が100歳まで生きるのか。※1

普通に暮らしていたら日本人は
二人に一人はガンになるのか。※2

QOLクオリティ・オブ・ライフ)って、病気になってからの話でなく
日常生活で意識していくと実際どんな感じなのか。※3


あまりに大きすぎる身の丈を超えた問いですが、確実に自分ごとです。私だけでなく誰にとっても。現代人にとっては誰にとっても重要な問いですが、その中でも私は特に環境や資質から「健康的な日常生活」に関心があって、より多く考え深く関わってきました。
 

都会と田舎の暮らしや働き方、どちらも経験し見つけてきた感覚をこのブログで言葉にしていこうと試みています。楽しみながら励んでいきますので、どうぞお付き合いよろしくお願いします!
 
 
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※1ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されており、日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えています。(人生100年時代構想会議中間報告より・厚生労働省HPより)

※2日本人が生涯でガンに罹患する確率は男性で55.7%、女性で41.3%(2007年国立がん研究センターがん対策情報センターによる推計値)

※3ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた『生活の質』。どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念。個人の収入や財産を基に算出される生活水準(英: standard of living)とは分けて考えられるべきものである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』)
 
 

今、家庭菜園が人気な3つの理由

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<目次>

1.日本でも海外でも家庭菜園が人気な理由

2.自然とのふれあいのストレス緩和以上の効果

 
 
 
1.日本でも海外でも家庭菜園が人気な理由

 

「私の年齢では、これから農家になるのは無理なので野菜宅配をお願いします。」

 

と、ご注文がありました。
今年の7月から来てもらっているスタッフさんでも「自分で野菜を作ってみたい。プロの野菜作りを勉強したくて」という動機の方がいます。

 


そう言えば、今年は野菜の苗が品薄で、欲しかったトマト苗が買えませんでした。欲しかった=食べたかったのは自家消費用の中玉トマトの苗。そのため、この夏はトマトソースが思う存分食べられなかったんです涙。「色々な種類の野菜をたくさん作っている農家なのに、自分の食べたい野菜がないなんてっ!」私は野菜が食べたくて農家になったふしもあるので、この無念たるや。来年のリベンジに燃えていますよ。

 

 

気になって調べてみると、やはり家庭菜園に取り組む人が増えて、ホームセンターや直売所では野菜苗が売れ行き好調。市民農園・貸農園の人気も高まっていて、家庭菜園関連書籍の売れています。

 

www.agrinews.co.jp

 

 

 

日本だけでなく、アメリカのサンフランシスコでも「家庭菜園」がブームに。そこでは収穫したものを食べるだけでなく、子供がいる家庭にとっては、タネや苗から食物を育てる<栽培プロセス>が絶好の教育ツールとして機能しています。

globe.asahi.com

 

 

教育ツールと言えば、ウチの農園長も4月に「ステイホームで子供達ヒマしてるでしょ」と野菜宅配お客のお子さん向けに「サラダようミニやさいのたね」をプレゼントしてました。農園長は優しいハートの持ち主です。

 

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特に成田市在住のK君には楽しんでもらえたようで。お母さまがFacebookを使って生育の様子や質問をお知らせしてくださいました。

 

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K君は苦手な野菜が多く、お母さまから「うちの子、どうやったら野菜食べますかね?」と質問をいただくこともありますが、食べるだけでなく<植物の成長>として興味を持っていれば全然OK!っと思ってます。こんな野菜があるんだなって知っていれば、自分で食べ物を選ぶ時に選択肢に入りますから。K君の自分の興味に素直で積極的に行動する所は、本当に見習いたいです!

 

 

 ここから見てとれる、今家庭菜園が人気な理由は大きく


1.実用的な意味で自分で食べ物を作り出す「食糧確保」
2.手間をかけ直接的な体験から興味や関心を育てる「学び」

 

なのかなと思います。

 

 

そして、1つ目の実用的な理由「食糧確保」で家庭菜園を始めた方からよく聞くのが

 ズバリ

 

野菜は買った方が安い

 

野菜作り自体は誰にでも出来ますが、期待通りの味や量の野菜を収穫までこぎつけるのは、想像以上に大変で費用がかかるというのが実際。スーパーで売っている野菜と家庭菜園の野菜を価格で比較するのは、あまりに生産規模的が違いすぎますし、それが案外知られていない、自分でやってみて体験しないどれくらいのコスパが違うのか見当もつかないんだなとも思いました。

 

2つ目の教育的な理由になると、学校や団体主導で学びの「ねらい」や「手法」「得られる効果」で語られる事が多いです。

 

 

これら2つの理由にくわえて、今家庭菜園が注目を集める理由で

 

3.心身ともに無意識にリラックスする「癒しの効果」

があると思います。

 

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2.自然とのふれあいのストレス緩和以上の効果

 

現代の都市型生活スタイル、急激な情報技術の進展によるストレス状態を改善する方法として「自然とのふれあい」は広く認知されていますが、2020年に世界を圧巻した新型コロナウイルスでの制限された生活の中で、より身近で手軽におこなえる家庭菜園が注目を集めていることは、ごく自然な流れだと思われます。

 

自然とのふれあいがストレス緩和になるのは、人類が99.99パーセント以上を自然環境下で過ごしてきた歴史があり、まだ数百年という現代社会での体験に遺伝子の変化が脳も心臓も含めて適応出来ていないからではないか、という研究がされています。
 

今、私たちが感じているストレスは進化の課程で必要なものなのかもしれません。そう考えると、自然とのふれあいは昔は良かったなという懐古主義でも年配者の暇つぶしでもなく、きたるべき環境の変化に適応していくための準備として最適な方法なのかもしれません。

 

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ごく身近な自然とのふれあいは家庭菜園、市民農園・貸農園をはじめ色々な方法があり、これからますますニーズが高まってくるように思います。

 

余談ですが、あるまま農園の畑でも自然とふれあうイベントをごくたまに開催していました。今は手が回らなくなっていて開催していませんが、ホスト側もすごく楽しませてもらえるので、時期をみて再開したいと思ってます。ぜひ皆さんにも畑で過ごす心地よさを体験していただければ嬉しいです。

 

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農家がまとめる「食品ロス」2020

かながわSDGsパートナーズのオーガニック料理教室「ワクワクワーク」さん主催の

「世界一やさしいフードロス勉強会」で、代表の菅野のなさんとお話しさせて頂きました。そちらの資料がてらなブログです。

 

 

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自分も含め、あまりに大きく複雑な問題を前に「なんとかしたい!」と思っても何をどうしたらいいのか分からずに気持ちがしぼんでしまう。

まあいいか、とスルーしてしまう。

そんな人が、ほんの小さなことでも良いので、思った事を行動にうつせるキッカケになれば嬉しい限りです。

 

 

世界では1/3の食べられる食品が廃棄されている現実と
もったいないという個人の感覚とのギャップ。

 

世界のいたるところにあるギャップを「食品ロス」というテーマで知る。
「食品ロス」は違う価値観を知って、思いやりを持って違うものと繋がることのできる今の私たちに与えられた課題なのではないかと仮定して、まとめていきます。

 

 

<食品ロス>とは


本来なら食べられるのに廃棄される食品のことを「食品ロス」と言います。

 

 

<いつから?>


「食べ物を大切にする」という感覚は誰にでもあると思います。
その感覚が、2015年秋の国連サミット・SDGsエスディージーズ:持続可能な開発目標)での17のゴール(目標)のうち、12番目に「2030年までに世界の食料廃棄を半減する」というターゲットが掲げられ、世界的に明確な形になりました。

 


日本では2019年10月1日に「食品ロスの削減の推進に関する法律(略称:食品ロス削減推進法)が施工されました。

その主な内容は

・<国・地方自治体><事業者>の責務と、<消費者>の役割を取り決める

・10月を「食品ロス削減月間」とし、10月30日を「食品ロス削減の日」と定める

・理解ではなく行動を求める。多様な連携により「国民運動」として推進

 

 

日本が「食品ロス」問題にどう取り組んで行くか、大まかな方針が示されました。


<国・地方自治体><事業者>は「責務」

<消費者>の「役割」というのが、興味深いですね。

 

 

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<食品ロスの数字と種類>

 

世界の食料廃棄量は年間約13億トン。人の消費のために生産された食料のおよそ1/3を廃棄しています。

国連食糧農業機関(FAO)「世界の食料ロスと食料廃棄(2011年)」)

 

日本では年間643万トン*もの食品ロスが発生しています。これは世界で飢餓に苦しむ人々への食糧支援量約380万トン**に比べても1.7倍と非常に大きな数字となっています。

 

数字を見てもイマイチピンとこないので、なじみ深いご飯茶碗で換算。するとなんと!日本国民の全員が、毎日ご飯茶碗1杯分を捨てている量と同じになるとの事。そしてその廃棄コストは年間で2兆円にものぼるそうです。

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*農林水産省平成28年度推計」
**国連世界食糧計画「2017年実績」


 

食品ロスは大きく2種類に分けられます。

 

・事業系食品ロス(339万トン)

・家庭系食品ロス(282万トン)

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農家は食糧を生産する事業者なので

食べて頂く皆さんよりも責任がある立場です。

 

私は食品ロスに関する情報を調べる時は

農林水産省のデータを見ることが多いです。

自身の取り組みが国の基本方針に沿っているか確認するためです。

 

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食品ロスと実際の活動の繋がりがつかみにくい場合は
活動がどの省庁の管轄なのかを確認するのも良いと思います。


実際の実施された活動も参考になりますね。



 <国・地方自治体>*

2018年に発足された協議会。

info.pref.fukui.lg.jp


2019年10月時点で408の自治体が参加しています。


 

 

<大量廃棄から学んだ、あるまま農園の取り組み>

消費者の皆さんには想像しがたいかもしれませんが、農家の生産現場では日常的にあります。その現実を知ってもらいたくて、勉強会参加者の方には事前にこの記事を読んで感想をかいてもらいました。

 

岡山県農業生産法人がタマネギ180トンを苦渋の選択で廃棄。農家の抱えるジレンマが分かりやすい記事です。
www.agrinews.co.jp


私たちあるまま農園も、キャベツ2000個を廃棄した経験があります。

所属している出荷グループでは「契約栽培」で野菜を卸しています。契約先との約束は「5月にキャベツを出荷する」でした。栽培は計画通り進めていましたが、その年は天候不順で5月には出荷サイズに育たず、6月にちょうど良い大きさになりましたが1個も買い取ってはもらえませんでした。6月は他の産地と契約しているので仕方がありません。約束を守れなかった野菜は、泣く泣く廃棄するしかありませんでした。

 

野菜が育たなかったのなら、まだ諦めもつく。でも、手間をかけて美味しく育った野菜がここにある。それなのに売れず、誰にも食べられず、自分たちの手で廃棄するってなんなんだろう。これは仕方がない事なのか。グループの先輩達もみんなそうしているし、これでやっていくしかないのか?となった時、とてつもなく悔しくて、このまま続けていい訳がないと心底思いました。

 

何が問題なのか考えた時「売る優先の約束」をしている事で、生産のロスが生じていると割とすぐにわかりました。それなら「作る優先の約束」をすればいい。あらかじめ野菜の種類や出荷の時期を限定しない、その時畑にある野菜を「おまかせ」で個人のお届けする野菜宅配を始めました。それが9年前のことでした。

「売る優先の約束」と「作る優先の約束」。どちらがいい悪いではなく、両方の約束をお客様と交わすことで、収穫できる野菜のロスを大幅に減らすことができました。とは言えまだまだ改善の余地はあり。今回の勉強会も然り、視野を広げて自分からも情報を出してどんどん取り組んでいきたい課題です。

 

 

<みなさんからの質問>

勉強会参加のみなさんから、野菜の規格に関してのご質問がありましたが、うちはJA(農業協同組合)とは取引がないので詳しくはわからず申し訳なかったです。

 

中にはドキッとする質問も。

 

あるまま農園さんは規格外野菜を販売されていると思いますが、それでも売れ残るもの、廃棄せざるを得ないものは、どのくらいありますか?

 


出荷する野菜の数は数えますが、捨てる野菜の数は数えたことがありませんでした。次の朝、畑で廃棄野菜の数を数えようとしましたが、腐敗が進みなんだかよくわからない状態になっており断念。食品ロスの数値化での把握の難しさを感じました。


消費者の方の気になる事を教えていただき「なるほど、納得」なものから「どうしてそんなことが気になるのかな?」と思うことまで様々なご意見をたくさんいただきました。インターネット上の情報とは質の異なる、一つの勉強会でオンラインではありますがお顔を拝見し、リアルな体温を感じるご意見に大いに刺激をいただきました。

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<小川町・横田農園さんのお話し>



「世界一やさしいフードロス勉強会」は二部構成。私がお話しさせていただいたのが一部。第二部の埼玉県小川町・横田農園さんの会は、「ワクワクワーク」さんのキッチンにてお話しを伺いました。

 

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 横田さんのお話しは、一言で言えば「洗練」。生産現場の体験を論理的にまとめられて分かりやすく、聞いていて清々しい気持ちになりました。

 

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左:筆者 真ん中:横田岳さん 右:菅野のなさん

 

yokotanojo.com

 

その一部の溝口メモです

 

  • 食品だけでなく、何を<ロス>とするか
  • 独立栄養生物(植物)と従属栄養生物(動物)の循環
  • 規格外は「作る」と「食べる」のギャップからできた
    (農家側が離れることを良しとした、という言葉に元々の農家さんには一生かかっても追いつけない体験してきたことの差を感じました)

  • 認証は信頼の中継(近ければ要らない)
  • 人は近づくものを気にするけど、離れるものは気にしない
  • 循環の中の通過点の意識
  • 有機の資源(種、肥料)はどこから来て、何をもって有機と言えるのか

 

 

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これが規格外野菜。少しの傷・曲がりがあっても味は美味しい

 

中でも印象的だったのが、参加者からの質問「食品ロスにあたり、消費者が気をつけることは」の答えでした。

 

物事を判断するときに、情緒的過ぎないこと

科学視点でものを見る力をつけること

 

う〜ん。自分を中心に、好きなもの心地よいものを情緒的に選ぶのはとても楽しいですが、それだけでは現実的な問題は解決に向かわないですよね。

消費の主役である女性にとって情緒的過ぎないことは、少々骨の折れることかもしれません。それでも、自分を通過点として、循環の中で何を選択していくのかに少しでも意識が働けば、現実を変える大きな原動力になると可能性を感じました。

 

 

<まとめ>

食品ロスというテーマに向き合っていく中で、すでにある食糧廃棄の対処療法(残さず食べよう、余剰野菜をがんばって売ろう)をやりつつ、その根本原因を探っていく必要性を強く感じました。

 

農家のやることは生産者としての責任は持ちつつも、自分で全てをやろうしないで、理解の上で協力しあえる関係を新しく求めて行動することが大切。

 

協力を得るために


・自身の食品ロスの現状

・自身の食品ロスに対する取り組み

この二つを、わかりやすくて説明できるから始めていこうと思いました。

 

貴重な学びの機会を作ってくださったワクワクワーク代表ののなさん、企画運営チームの皆さま、勉強会にご参加いただきました皆さま、横田さん、本当にありがとうございました!

初めまして。10年前に原宿から農村へ移住したリアルな体験を、色々を書いていきます。

有機農業のメッカ・千葉県成田で、無農薬で野菜を栽培している農家の溝口優子と申します。


デュアルライフ(二拠点生活)に興味がある方に向けてブログを書こうと思ったのは、かつて私が興味があって情報をネット上で探した時に、不動産・物件情報のための憧れスローライフ的な情報が多かったからです。


憧れも素敵ですが、そうじゃなくて、もっとこうリアルで具体的な感じが知りたいのだけれども...と、もどかしく感じていた10年前の自分に、これ知ってたら絶対いいって!と伝えたかった事を、田舎暮らし10年の振り返りの意味も込めて書いていこうと思います。

ですので、個人的な趣味・意見や感覚的な話が多くなりますが、ご興味のある方のお役に立てれば嬉しい限りです。

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ウェブ検索結果

 

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旦那さんと畑で


都会から田舎へ

現在に至るまでの私の経緯を少々。
専門学生時代からグラフィックデザイナーとして仕事をしていた18年間東京在住。都会暮らしへの憧れから渋谷区・世田谷区限定で9回の引っ越しをして、最後の6年間は原宿の裏原のうらの辺りににマンションを買って住んでいました。

 

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古いマンションをお気に入りにリノベーションして

 

近しい業界の人と結婚して、ずっと東京で働き暮らして行くのかな...とぼんやり思っていましたが、体調不調からの健康的な食生活への興味と、仕事で携わったオーガニック企業会報誌で見かけた農家さんの屈託のない笑顔が脳裏から離れず、ふとしたきっかけからご縁をいただいた千葉の農家さんの畑に、週末は遊びに行くようになりました。


その流れで環境系NPO法人の活動に参加、援農コーディネーターや理事を勤め農家さんや農的暮らしに興味のある方達との親交を深め様々なプロジェクトを経験。千葉県の畑で在来品種大豆を育てて味噌を仕込む、東京都葛飾区の廃業になった銭湯をコミュニティスペースとして復活させる、今では当たり前になっている生産者自ら出向いて販売をする東京都渋谷区代々木公園で開催される「東京朝市アースデイマーケット」のスタート時からのお手伝いと、それまで知らなかったエコロジーな価値観と考え方に惹かれて人生がググッとオーガニック方面へ寄っていきました。

▼竹害対策にもなる手作り竹テントが使われ、骨太で歴史のあるアースデイマーケットhttp://www.earthdaymarket.com/



同時進行していた真剣婚活2年目で出会った結婚したい人が、たまたま脱サラ新規就農の農家でした。オーガニックは趣味、結婚は結婚と別に考えていたので婚活は職業農家と限定していたのでなく、むしろ世の中には色んな職業の人がいらっしゃってこんな機会でもないと中々お話も聞けないと思い、少なくても2年間で200人くらいの方と会ってお仕事、生活、結婚観についてお話を聞かせていただきました。

 

その中でも今の旦那さんと会って3回目ですんなり「結婚しようか」という話になったのは、心の奥では農業のある暮らしを求めていたんだなぁ、と思います。


今ではそのほっこり系の農園長=旦那さんと6才になるやんちゃ息子、スタッフの方々と一緒に1.4アールの畑で年間約30品目を無農薬での野菜作りに励んでいます。

 

コロナが私たちに与えるものは


2020年は、世界が初めて体験するコロナで世界が急激に変わるなか、ひとりひとりの個人・会社・社会にとって忘れられない時間になったように思います。

 

不要不急な外出の自粛が求められ、じゃ不要不急じゃないものって何だろう...となった時、毎日の食の大切さを見直した方も多いのではないでしょうか。その流れで、第一次産業の農業への関心が高まっている事を肌で感じる事が多くなりました。


農家になって10年の間にも何度か「農業ブーム」がありました。セミリタイヤで田舎暮らし、スローライフ、I・Uターン。農家やってますと言うと「畑に遊びに行ってみたいです」と言われることも東京ではしばしばあったので、都会暮らしの方が農業ののんびりしたイメージに魅力を感じるのはいつも一定量あるのだと思います。

 

 でも、このコロナのそれは今までの「農業っていいですね」とは質が違うように感じます。都市生活をしながらも、より切実に緊張感をもって新しい暮らし方・働き方の可能性を地方へ見出している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


すでに農業大国で知られるフランスでは、コロナ失業者と季節労働力とのマッチングを行政主導で行って20万人以上の応募があったとされています。

▼「農業部隊」求人に20万人応募、フランス農相が失業者らに呼び掛けhttps://www.afpbb.com/articles/-/3277597


私一人のできることと言えば微々たるものですが、農業の現場から体験する素直な気持ちを書いていきたいと思います。
変革は、弱いところ、小さいところ、遠いところから。
ハチドリのひとしずくの精神で、ぼちぼちやっていきます。

 

ひとしずくの勇気を得ることができるのですhttp://www.tmss.jp/medicaltreatment/img/hachidori.pdf

 

お役に立てれば幸いです。
何かお知りになりたい事がありましたらぜひお知らせください。


よろしくお願いいたします。